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大腸ポリープ切除

大腸ポリープとは

大腸ポリープは、大腸の粘膜から生じる隆起の総称であり、ポリープの中でも様々な性質のものがあります。大腸ポリープの多くは直ちに命に係わる可能性がない「良性ポリープ」です。ただ「良性ポリープ」と呼ばれているものの中でも、腫瘍性ポリープや非腫瘍性ポリープなど、様々な性質のポリープが含まれています。大腸ポリープの中でも特に腺腫、鋸歯状病変という性質のポリープは放置するとがん化する可能性があるため、「前がん病変」と呼ばれており、要注意です。
当院では、これら「前がん病変」の診断に最適な画像強調機能搭載内視鏡システムと画像拡大機能付内視鏡を採用しており、これらの「前がん病変」を正確に診断し見落とさないための最適な設備を整えております。
ただし発見するだけでは十分ではありません。現代医学では、定期的に大腸内視鏡検査を施行し、発見したポリープをその切除することで、

  • 将来的に大腸がんになるリスク
  • 将来的に大腸がんで亡くなるリスク

をそれぞれ大幅に減らすことができると証明されています。そのため、当院では原則として、大腸ポリープ発見時に切除を推奨しております。

将来の健康と生活を
守るために

日本においては全てのがんの中で、大腸がん罹患率が1位となっております(全国がん登録罹患データより)。つまり、日本人が一生の中で最もなりやすいがんは大腸がんということになります。
大腸がんは、早期に見つけて治療を受ければ、ほとんどが完治できます。早期の大腸がんでしたら、お身体や生活・仕事に影響を与えない、負担が少ない内視鏡治療で治すことが可能です。さらに、将来大腸がんになるかもしれない大腸ポリープを切除することで、大腸がんを予防することもできます。
しかし、現在でも大腸がんによって命を落とす方は多くいらっしゃいます。大腸がんは自覚症状が現れにくく、他臓器に移ってから症状が現れたのをきっかけに、初めて大腸がんだと分かるケースもよくあります。進行した場合はお身体への負担が大きく、生活や仕事にも支障をきたす治療が必要になり、最悪の場合命を落とすこともあります。
健康で幸せな生活を送るためには、大腸がんを早期に見つけることが大切です。早期の大腸がんや大腸ポリープを見つけるためには、症状が現れる前に大腸カメラ検査を受けることが必要です。特に、便潜血検査で陽性だった方やお腹の症状があり受診される方の半分以上で大腸ポリープが発見されるという報告があります。こういう場合には速やかに大腸カメラ検査を受けることをお勧めしています。また、大腸ポリープやがんがあっても、便潜血検査で陰性になることもあります。「便潜血検査で陰性=大腸ポリープ・がんがない」とは言い切れないことにも注意が必要です。大腸ポリープのリスクは40歳から高くなりますので、当院では40歳以上の方は、症状がなくても定期的に大腸カメラ検査を受けることをお勧めしています。

大腸ポリープ切除の
メリット・
ポリープを切除する方法

大腸カメラは、大腸の病変を見逃さずに見つけることができる検査です。そして、検査中に見つけた大腸ポリープは、その日のうちに切除することもできます。入院せずに、検査と治療と予防が一度にできます。検査前の食事制限や下剤服用も一度だけで済むので、時間的負担も少なくなります。
一方で、大腸ポリープの形や大きさにより最適な治療法が異なります。当院院長は東京大学医学部附属病院の歴史上、早期大腸癌に対して最も多くの内視鏡手術を実施指導してきた経歴を有し、その経験に基づき各患者様に最適な治療を提供することを信念としております。そのため当院では、大腸ポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術、内視鏡的粘膜下層剥離術の全ての内視鏡治療に精通している医師が最適な手法を用い安全性の高い切除を行っています。
当院では2cmまでのポリープが当日切除可能です。ただし、

  • 大腸ポリープの数があまりに多く、出血リスクが高い
  • 抗血栓薬、抗血小板薬を常用されていて、出血リスクが高い
  • 2cm以上であり、最適な内視鏡治療を行うために入院治療が必要

な場合には日帰りでは切除を施行しません。治療の選択肢についてご説明させていただき、当院と連携している高度医療機関をご紹介し、すぐに適切な治療を受けられるようにしています。

コールドポリペクトミー

スネアでポリープを絞めて切除する方法ですが、高周波電流は流しません。熱が下層に伝わらないので、出血や穿孔といった合併症のリスクを軽減できます。
この治療法は他手法と比較して、傷口から出血するリスクが少ないことが最大の利点で、抗血栓薬、抗血小板最を常用されている方でも実施できます。当院ではこの手法で確実に治療できるポリープに対してこの治療を実施しております。

内視鏡的粘膜切除術

平坦なポリープの場合や、早期がんが疑われる場合には、スネアで絞めるだけでは切除できません。そこで、ポリープの下に生理食塩水を注入して持ち上げてから、スネアで絞めて高周波電流で切除します。生理食塩水によって熱が下層へ伝わらないので、合併症のリスクを減らすことができます。
この治療法はポリペクトミー法と比較して、より広く深く切除できることが利点ですが、治療後に創部から出血するリスクがわずかに上昇します。当院ではこの手法で確実に治療できるポリープに対してこの治療を実施しております。

内視鏡的粘膜下層剥離術

1cmを超える平坦なポリープや2cmを超える隆起型ポリープの場合、既に早期大腸がんになっているリスクが高く、さらに内視鏡的粘膜切除術で一気に切除することは難しいとされています。確実な治療を行うためには内視鏡用電気メスを用いて、腫瘍の下を直接剥ぎ取る治療が必要になることがあります。
この治療法は早期大腸がんに対する最も確実な内視鏡治療であることが利点ですが、最も高度な内視鏡診断・治療技術が必要であります。主に大学病院などの専門施設で実施されています。

切除後に気を付けて
いただきたいこと

内視鏡を使った大腸ポリープ切除は手術行為です。手術は日帰りでできますが、合併症のリスクがゼロではありません。出血などの合併症を防ぐために、手術後は食事や運動や長距離移動などに関するいくつかの制限があります。制限の内容や期間は患者様によって違いますが、1週間程度は制限があります。
当院では大腸カメラ検査の予約をする際、ポリープ切除する可能性を考慮して、1週間程度は予定を入れないようスケジュールを立てていただくことをお勧めしています。

帰宅後の過ごし方

当日は安静に過ごし、夜更かしせずにすぐ寝ましょう。

入浴

当日は入浴ではなく、シャワーを軽く浴びる程度にしてください。翌日以降でしたら入浴は可能です。ただし、しばらくの間、長湯やサウナなどは避けた方が望ましいです。

食事

当日は消化しやすい食品を摂取しましょう。脂肪が多い食品、刺激が強い料理などは控えてください。

アルコール

医師から許可が出るまでの間、お酒は飲まないでください。

運動

運動は1週間程、控えてください。運動は腹圧を高めるものが多いので、出血などの合併症が起こりやすくなります。術後の傷の大きさ・運動内容などによってはできる運動・できない運動がありますので、必ず医師と相談しましょう。

旅行・出張・運転などについて

長時間座りっぱなしでいる旅行や出張、運転などは、1週間程度控えてください。また、飛行機は気圧の変化が起こるので、短時間のフライトでもお身体への負担が大きくなります。また、遠方へ行かれると出血などを起こした際、適切な処置がすぐに受けられない可能性が高くなるので、しばらくの間旅行・出張は避けてください。

費用

保険診療 1割負担 3割負担
大腸カメラ検査 約2,000円 約5,000円
大腸カメラ+病理検査 約3,000〜7,000円 約10,000〜20,000円
大腸ポリープ切除術 約7,000〜10,000円 約20,000〜30,000円

※診察料と事前検査の採血費用は別途かかります。上記の表はあくまで目安としてご確認ください。