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潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、大腸や小腸の粘膜に炎症や潰瘍ができる疾患です。潰瘍性大腸炎は、男女ともに若い方から高齢者まで発症することがありますが、特に若年層に多くみられます。自覚症状が軽い方から重い方まで個人差がありますが、長期間症状を呈する方の場合に大腸がんのリスクが上昇することが報告されており、潰瘍性大腸炎に対しては定期的な通院治療が必要です。
この疾患は長期間の治療を有し、完全に治す方法が見つかっておらず、厚生労働省からは難病として認められています。

潰瘍性大腸炎の症状

腹痛や下痢、血便(粘血便)、下腹部の違和感、急激な体重減少、貧血といった症状が起こります。この疾患は、症状が強く現れる時(再燃期)と、症状が治まる時(寛解期)が交互にあるという特徴があります。そのため症状が治まったとしても、治療を中断するのは厳禁です。寛解期を延ばすために、治療を続けていく必要があります。

検査方法

潰瘍性大腸炎の確定診断をするには、「大腸内視鏡検査」と、大腸内視鏡検査の際に実施する大腸粘膜に対する病理検査が必要です。これらの検査では、大腸の粘膜にどういった炎症や潰瘍があるのかを、詳しく調べることにより潰瘍性大腸炎を正確に診断し、重症度を評価します。
また潰瘍性大腸炎に対して適切な治療を行うことにより病状が落ち着いた後も、潰瘍性大腸炎が再び悪化する再燃のリスク、そして大腸がん発生のリスクがあるため、定期的に大腸内視鏡検査を継続する必要があります。特に潰瘍性大腸炎の炎症が10年以上続くと大腸がんが発生するリスクが増えます。潰瘍性大腸炎由来の大腸がんは典型的な見た目を呈さないことがあり、正確に診断するためには経験豊富な内視鏡専門医による検査が必要となります。当院院長は東京大学医学部附属病院で潰瘍性大腸炎由来腫瘍に対する内視鏡診断・内視鏡治療を牽引してきた経歴を有し、最適な内視鏡診断・治療を提供いたします。

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潰瘍性大腸炎の治療法

潰瘍性大腸炎を完全に治すことはできませんが、薬で症状を抑えて、安定した状態を保つことができます。この疾患は、時々症状が悪化したり(再燃期)、改善したり(寛解期)するので、薬を継続して飲み続けることが大切です。当院では、5-アミノサリチル酸製剤やステロイド、免疫調整薬などの薬の中から、患者様に合ったものを処方します。また、お尻から入れる坐薬や注射などを使うこともあります。
ただし、これらの治療の効果が不十分となり、入院治療や手術を要する患者様も時にいらっしゃいます。その場合には当院と連携している高度医療機関をご紹介し、すぐに適切な治療を受けられるようにしています。

Q&A

潰瘍性大腸炎とクローン病の違いは何ですか?

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症やびらん、潰瘍が広範囲にできる疾患です。一方、クローン病は、口から肛門までの消化管に炎症や潰瘍が起こる疾患です。 どちらも、消化管の粘膜に慢性的な炎症を引き起こす炎症性腸疾患で、発症するメカニズムがいまだに分かっていない難病です。

潰瘍性大腸炎の主な症状は何ですか?

一番多くみられる症状は便通異常です。最初は血便が多くみられ、次第に下痢や軟便が続いてから、腹痛が起こります。

潰瘍性大腸炎の合併症は何ですか?

大腸の炎症・潰瘍が悪化すると、腸管から大量に出血したり、大腸の狭窄・閉塞が起こったり、腸管に穴が開いたりします。また、大腸がんの発症リスクも高くなります。 腸管の合併症だけでなく、アフタ性口内炎や関節炎、静脈血栓といった全身疾患を引き起こす恐れもあります。

潰瘍性大腸炎の治療で使われる薬は、どういった副作用が現れますか?

薬の名称・種類 副作用
5-アミノサリチル酸製剤 頭痛、吐き気、下痢、腹痛、発疹、アレルギー反応
免疫調整薬 感染症、血液障害
ステロイド 満月様顔貌、体重増加、不眠、感染症

薬を服用した後に、これらの症状が現れた場合は、迷わず受診してください。

手術を受けた方が良いのでしょうか?

薬物療法を続けても症状が改善されなかった場合は、手術を検討します。しかし近年では、潰瘍性大腸炎の治療で使われる新薬の開発が進んでいるため、外科的治療を必要とする方は減少傾向にあります。

日常生活で、気を付けた方が良いことはありますか?

悪化を防ぐためにも、動物性の油やバターなどの脂肪分、アルコール、辛い物などの刺激物は控えるようにしましょう。 また、ストレスや緊張も症状を悪化させる原因になりますので、ストレスを解消したりリラックスして十分に休んだりする時間を確保することをお勧めします。当院では薬物療法などの治療だけでなく、生活改善のご質問にもお答えしていますので、分からないことがありましたらお気軽にご質問ください。